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【After Effects】3Dモデルの読み込み方法!できないときの対処法も解説

【After Effects】3Dモデルの読み込み方法!できないときの対処法も解説
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After Effects 24.1以降では、3Dモデルが素材として直接読み込めるようになりました。以前は、サードパーティのプラグインを導入しないとできなかった機能が、現在は標準搭載されています。

この記事では、After Effectsに読み込み可能な3Dモデルのファイル形式を紹介します。実際にコンポジットに読み込む方法、うまくいかないときの対処法などをわかりやすく解説します。

After Effectsがサポートする3Dモデル形式と注意点

現在After Effectsが標準で対応しているファイル形式は次のとおりです。

  • OBJ
  • GLB
  • glTF

「OBJ」は広く認知された3Dモデルのファイル形式です。シンプルな構造ながら大量のデータを保持できるため、映像制作だけでなく様々なデザインの現場で使用されています。
なお、「OBJ」に格納されているのはその3Dモデルの幾何形状のみです。テクスチャ(3Dモデル表面の色、材質など)は「MTL」という形式で別ファイルとして存在するため、この2点はセットで管理する必要があります。
また、読み込む際の注意として、読み込んだ際に3Dモデルがコンポジションのサイズより大きく読み込まれることがあるため、スケールは1.0~10.0程度に設定すると丁度よいサイズになるでしょう。

「GLB」と「glTF」はウェブブラウザ上で3Dコンテンツを表示する際によく使われるファイル形式です。モデルの形状やマテリアル、テクスチャなどの情報が1つのファイルにまとめられているため管理が容易です。
BlenderやAdobe Substance 3Dでも書き出し可能です。

また、After Effects CC以降はインストール時に「CINEMA 4D Lite」がバンドルされます。これはMaxon社の3DCGソフト「CINEMA 4D」の機能制限版です。このソフトで扱う「C4D」というファイル形式はそのままAfter Effectsでも読み込めます。
After EffectsとCINEMA 4D Liteはシームレスに連携できるため便利です。ただし、お互いのバージョン間で互換性があることを確認する必要があります。

FBXファイルは読み込めない?

「FBX」の形式はまだAfter Effectsではサポートされておらず、 読み込むためにはサードパーティのプラグインを別途インストールする必要があります。

骨格付きモデルの場合はアニメーションデータも含めて読み込めますが、一部の複雑なアニメーションは正しく反映されないこともあるため注意しましょう。

After Effectsで3Dモデルを読み込む方法

「ファイル」→「読み込み」→「ファイル」

上部のメニューバーから「ファイル」→「読み込み」→「ファイル」と選択。

3Dモデルデータの選択

読み込み可能なデータの一覧が表示されるので、任意の3Dモデルデータを選択。

プロジェクトパネルでの表示

読み込まれるとプロジェクトパネルに表示されます。

この素材を使いたいコンポジションのタイムラインパネルにドラッグアンドドロップすると、「モデル設定」のウィンドウが出るので、ここでは「オブジェクトスケール」を3%にしました。先に書いた通り、OBJデータはスケール100%で取り込むと大きくなりがちなので、小さく設定しました。

3Dレイヤー

3Dモデルの素材が「3Dレイヤー」としてタイムラインパネルに現れ、プレビューにも映っていることが確認できます。

3Dモデルが読み込めない場合の対処法

3Dモデルが読み込めない場合、まずファイル形式が対応しているか確認し、加えてAfter Effectsのバージョンが最新のものになっているかもチェックしてください。
また、コンピューターのグラフィックカードによっては、3Dモデルの編集に対応していない場合もあります。

ここでは3Dモデルがうまく読み込めない場合の対処法を解説していきます。

① ファイル形式とAfter Effectsバージョンの互換性を再度チェック

3Dモデルには様々なデータの形式が存在しますが、その中でもAfter Effectsで読み込み可能な物は決まっています。読み込みたい3Dデータのファイル形式が、After Effectsでサポートされているか確認しましょう。

また、古いバージョンのAfter Effectsでは3Dモデルを直接読み込む機能が無いため、最新のバージョンになっているか確認してみてください。

② GPUアクセラレーション設定やドライバの更新

GPUアクセラレーション設定やドライバの更新

GPUが非対応なために、3Dモデルを使った映像編集ができないこともあります。

メニューバーから「編集」→「環境設定」→「メモリとパフォーマンス」(Macは「After Effects」→「設定」→「メモリとパフォーマンス」)を開き、「GPU情報」をクリックして確認してみてください。
「ドラフト3D」というのは3Dモデルが含まれるプレビューを高速で描写するもので、これが「利用できません」と表示されている場合は3Dモデルや一部のエフェクトが利用できない可能性があります。

また、コンピュータ側でドライバなどの更新が滞っている場合もあるので、こちらの設定もチェックしましょう。詳しくはAdobeのWEBサイトからAfter Effects の必要システム構成を確認してみてください。

③ Element 3Dなど外部プラグインを使用する場合のバージョン確認

外部プラグインを使用している場合は、そのバージョンがAfter Effectsと互換性があるかを調べることも重要です。特にElement 3Dなどを利用している場合は、公式サイトで動作要件を確認してください。「After Effectsは最新でもプラグインの更新を忘れていた」というのはよくありがちです。

③レイヤー順序の不備やエクスプレッションエラー

3Dモデルは1つのレイヤーとして取り込まれます。他のレイヤーと同様、順序を誤っている場合はプレビューに表示されません。

下記は黒い平面レイヤーがあって、下の3Dオブジェクトが見えない状態です。

下の3Dオブジェクトが見えない状態

下記は、黒い平面レイヤーが下にあって、3Dオブジェクトが見える状態。

3Dオブジェクトが見える状態

また、エクスプレッションエラーが発生していないかもチェックが必要です。エラーが見つかった場合は、該当部分を修正または無効化することで解決できる場合があります。

After Effectsで3Dモデルを読み込んで表現の幅を広げよう

3Dモデルを実写に合成したり、または3Dモデルだけでアニメーションを作ることが出来るようになれば、自身の作品の表現の幅が広がること間違いなしです。この記事で紹介した方法を使って、3Dモデルを使った作品制作にチャレンジしてみてください。

Team HENSHINでは、この他にもAfter Effectsの機能やその使い方を解説しています。ぜひ他の記事もご覧ください。

この記事の監修者
村上 瞭
村上 瞭
合同会社Team HENSHIN 代表
半導体商社開発プランナーを経て、何を思ったか動画編集を開始。編集、CGの楽しさの虜になり、映画やCMの現場に突入し続ける。クライアントと案件を通じて、HENSHINすることが使命。映画やCM制作などのCG/VFX映像の制作を行うTeam HENSHINの代表。プロの動画クリエイターを束ねる。動画広告も得意で、動画を活用した課題解決が得意。
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